プレミアリーグのあれこれ

プレミアリーグを中心にサッカーに関することを雑多にまとめています。

20/21 プレミアリーグ振り返り (その1)

どうも、わたなべです。
シーズンも終わったので、1チームずつ振り返っていこうと思います。
まずは1~10位。

 

 

 

1位 マンチェスター・シティ 勝ち点86(27勝6敗5分) 

序盤は躓いたものの、公式戦21連勝を挟みながら、19節で首位に。そのまま首位を明け渡すことなく2年ぶりのリーグ優勝を決めた。アグエロが怪我やコロナ感染で思うように試合に出られず、CFが定まらない中、見事に0トップが機能。ギュンドアンがシーズン13得点というのは0トップが機能した何よりの証拠だろう。誰が出場しても安定感を保つことができた。CLは優勝こそ逃したものの、初の決勝進出。カラバオ杯も4連覇。トータルで見るとかなり満足のシーズンだっただろう。

 

MVP : ルベン・ディアス

20/21シーズンのシティはこの男を語らずして、終われない。プレミア参戦1年目からハイパフォーマンスを示すだけでなく、後ろからチームを鼓舞し、盛り上げ続けた。おまけにここ2シーズンどこで何をしているかわからなかったストーンズを見事に復活させた。”キャプテンシー”という抽象的で便利で使い勝手のいい言葉を見事に具現化してみせた。文句なしのMVP。

印象に残った選手:フィル・フォーデン

満を持して、才能を開花させた21歳。ダビド・シルバの退団の不安を全く感じることがなかったのはフォーデンの存在が大きかっただろう。ボールテクニックだけでなく、ドリブルやミドルシュートでも存在感を発揮。ここ数年左WGのレギュラーだったスターリングを押しのけて、スタメンに定着。CLラウンド8ドルトムント戦 2ndの決勝ゴールからのペップとの抱擁は多くのサポーターの心を掴んだ。

 

 

2位 マンチェスター・ユナイテッド 勝ち点74(21勝6敗11分) 

スールシャールには戦術がないと言われていたのはもう過去の話。相手を見極めながら丁寧に緻密にチームを修正していく。何よりスールシャールは選手の適切なポジションを見つけるのがめちゃくちゃ上手い。シーズン終盤にポグバをサイドで使い、ロングボールの起点にしてたのは圧巻だった。ELで優勝出来れば文句なしのシーズンだっただろう。来シーズンはタイトルが欲しいところ。

 

MVP:ブルーノ・フェルナンデス

こちらも文句なしの選出。18得点12アシストと異次元のスタッツ。ブルーノ・フェルナンデスが試合を作り、アシストをして、点まで決めてしまう。

印象に残った選手: エディソン・カバーニ

もう終わった選手だと思っていた。しかし、マルシャルの調子が上がらない中、要所で点を取っていた。持ち前のハードワークで前からのプレスもしっかりと。5月には契約を更新し、パリにはなかった居心地の良さがうかがえる。

 

 

3位 リバプール 勝ち点69(20勝9敗9分)

何とか3位でフィニッシュ。とにかく怪我人に苦しんだシーズン。シーズン序盤にファン・ダイクが怪我をしてから、怪我人の連鎖が止まらなかった。ジョー・ゴメスとマティブまでも長期離脱。ファン・ダイクがいないことで守備だけでなく、ビルドアップの起点を失うことで攻撃力も低下。ファビーニョヘンダーソンのCBはかなりよかった。しかし、ファビーニョが中盤にいないことでビルドアップの質が低下。そして中盤のフィルターが効かない。ヘンダーソンが中盤にいないことで、高い位置からのプレスがなかなかはまらない。攻撃はDFから始まり、守備はFWから始まることを思い出させてくれた。そんな苦しい中でもシーズン終盤の5連勝でCL圏内の3位フィニッシュは流石だった。

 

MVP:モハメド・サラー

いい状態でボールがもらえることが少なかったり、過密日程で疲れも見える中で、シーズン23得点。

印象に残った選手: カーティス・ジョーンズ

ヘンダーソンファビーニョがDFで出場する中、中盤でボールを運べたのはカーティス・ジョーンズによるものが大きいだろう。細身に見えるが、当たり負けしないフィジカルや技術を兼ね備えてる。アタッキングサードに入ると急に視野が狭くなるが、今後も楽しみな選手。

 

 

4位 チェルシー 勝ち点67(19勝9敗10分)


9年ぶり2度目のCL優勝。シーズンが始まる前は予想もできなかった。コロナ渦で他チームがお金のやりくりで困難を極めている中、2019年夏に移籍補強禁止処分が下されたことで余っていたお金、300億円以上を費やして補強を敢行。しかし、19試合終了時点で8勝5分6敗の9位と成績が振るわずランパードが、1月に解任される。補強した選手ををうまくチームに馴染ませることができなかったことも一因だろう。その後、トゥヘルが就任し、チームを見事に立て直す。やはり、サッカーは監督次第。横暴に思えた補強もトゥヘルが華麗に融合させた。

 

MVP:メイソン・マウント

ランパードとトゥヘル、両監督の下で安定してハイパフォーマンスを示した。注目される攻撃はもちろん、プレスを含めた守備のタスクもしっかりこなす。現代フットボールの10番役割を軽々とやってのけた。まだ21歳というのが末恐ろしい。ランパード最後の試合ではキャプテンとして出場するという粋な演出も。

印象に残った選手: ティモ・ヴェルナー

良くも悪くも印象に残った選手。世間の風当たりは少し強すぎるかなとは思う。DFラインの裏を何度でも取りに行くというヴェルナーにしかできないタスクを一年間遂行し続けた。あとは点を取るだけだ。

 

 

5位 レスター 勝ち点66(20勝12敗6分)

 

今シーズン、上位陣が揃って勝ち点を落とす中、安定して戦い続けたチームの一つだろう。特にシーズン序盤、マンチェスター・シティに5-2で勝利したことは記憶に新しい。ボール保持、非保持にかかわらず安定して戦えたのは監督のブレンダン・ロジャースの手腕に拠るものだろう。誰が出場してもしっかりチームとしても機能していたことが印象的だった。最後の最後でCL圏内から落ちてしまったことだけが悔やまれる。だが、FA杯で初優勝で5年ぶりのタイトルを獲得。シュマイケルとクラブオーナーのアイヤワット・スリバダナプラバがともにトロフィーを掲げた瞬間は今シーズンのプレミアリーグで最も感動的なシーンだった。

 

MVP:ユーリ・ティーレマン

二年前はこの選手は何が得意な選手かわからなかった。しかし、今ではなんでもできるユーティリティな選手に成長。ビルドアップに絡みつつ、攻撃を牽引。隙を見つけてはシュートまで決めてしまう。FA杯の決勝では値千金の決勝のミドルシュートまで決めて、優勝に大きく貢献。

印象に残った選手: ケレチ・イヘアナチョ

シーズン終盤、攻撃陣が怪我で離脱する中でシーズン終盤に得点を量産し、チームを救った。イヘアナチョがいなければこの順位で終わることはなかっただろう。自身初のシーズン二桁得点も記録。

 

6位 ウェストハム 勝ち点65(19勝11敗8分)

 

ブロックを引いて、早く攻める。モイーズの下、一貫して戦い続けたシーズン。アントニオがとにかく強い。マークについているDFなんぞ、いないのも同然。シーズン序盤、マンチェスター・シティ戦でルベン・ディアスを吹き飛ばしたのはそれを象徴する。そして冬にリンガードが加わることで速さという武器も追加された。ソウチェクとライスの中盤も攻守にわたって奮闘。CL圏こそ届かなかったものの、見事な6位フィニッシュ。チームとして、迷いなく戦い続けれた一年だっただろう。

 

MVP:マイケル・アントニオ

何度でも言う。とにかく強い。もっと気の利いたおしゃれな表現をしたいが、これ以上に適切な表現が見つからない。フィジカルは正義を体現した選手。堂々のシーズン10得点。

印象に残った選手: トマーシュ・ソウチェク

エバートン時代のフェライニを彷彿とさせる選手。身長192㎝の巨体を生かして、ゴール前まで飛び込んでくると誰にも止められない。アントニオと並んでシーズン10得点を記録。そしてリーグ戦38試合全てにスタメン出場し、主将のライスとともに攻守にわたって、中央でチームを支え続けた。

 

 

7位 トッテナム 勝ち点62(18勝12敗8分)

 

シーズン序盤は首位に立つなど上々スタートダッシュ。二年目のモウリーニョは安心できると思っていたのもつかの間、じりじりと順位を落とす。タイトルがかかったカラバオ杯決勝前にモウリーニョが解任される。解任ブーストもうまく使えず、カラバオ杯決勝もマンチェスター・シティに敗北。一発勝負こそモウリーニョで見たかった。最終的に7位フィニッシュで来シーズンは新設されたヨーロッパの大会に出場できるらしい。

 

MVP:ハリー・ケイン

近年、ケインへのハードルが高く、シーズンベスト11にも選ばれないこともしばしば。やはり、自分色を出したいのだろう。自分は人とは違う目線を持っていることを見せたいのだろう。そして私もそれを逆手にケインを評価するという自分色全開である。
ただ、誰がなんと言おうとケインがいなければスパーズはこの順位にいないだろう。史上二人目となる、得点王(23得点)&アシスト王(14アシスト)も達成。文句なしのMVP。

印象に残った選手: ピエール=エミール・ホイビュア

レヴィ会長が手腕を生かして、安価で獲得してきた選手。ロリス、ケイン、ソンフンミン以外どこか物足りない中で中盤で奮闘していた。見た目通り、厳しく相手の攻撃の出所を潰したり、ビルドアップでもボールを蹴るのが苦手なダイアーやダビンソン・サンチェスを支え続けた。もう一人ホイビュアがいればスパーズはもう一つ順位を上げれただろう。

 

 

8位 アーセナル 勝ち点61(18勝13敗7分)

 

 よくわからなかった一年だった印象。完璧な試合をした次の試合でめちゃくちゃになっていたりする。軸となる選手が少なかった。ジャカ、レノ、ティアニーぐらい。アルテタならいずれはよくなるだろうと思っていた後ろからの繋ぎもあまり上達せず。唯一の希望として臨んだELも準決勝で惜しくも敗退。明るい話題としてはサカ、スミス・ロウ、ティアニーなど大化けしそうな若手が少なからず存在することだろう。来期はヨーロッパの大会がなく、リーグに集中できるのはアルテタにとっても悪くないだろう。

 

MVP:ブカヨ・サカ

選ぶのが非常に難しかった。苦しいチームの中で試合に出続けて孤軍奮闘していた印象。将来がとても楽しみな選手。

印象に残った選手: ニコラ・ペペ

良くも悪くも印象に残った選手。移籍金が高額すぎたこともあり、期待値までは届いていない。出場機会が安定すればもう少し結果を出せそうだなと思う。簡単なシュートを外し、難しいシュートをきめるところはスターリングと似たものを感じる。

 

 

9位 リーズ 勝ち点59(18勝15敗5分)

 

とにかく走る。ほんとに走る。これでもかというぐらい走る。走行距離に応じてボーナスが支給されているのではないかというぐらい走る。シーズン序盤に見たときはこのサッカーは過密のプレミアリーグでは息切れするだろうと思っていた、9月の自分をボコボコにしたい。ボール非保持のときはマンツーマン気味に選手の役割を明確に。攻撃はとにかく、多くの選手が前に出てくる。走ることに目を惑わされているが、攻撃時は単純に数的優位を作りたいのかなという印象。走ることに目を奪われがちだが、カルヴィン・フィリップスを中心に丁寧なビルドアップでボールを運ぶこともできる。走ることに目を奪われがちだが、ビッグ6相手にホームで無敗。来シーズンはどこまで走れるだろうか。

 

MVP:イーラン・メシエ

マンツーマンで守備をするので一つ歯車が狂うと思ってもないピンチを迎えるリーズ。そんなピンチを幾度となく、救い続けたGK。ハイボール処理も安心して見ていられる。

印象に残った選手: ルーク・エイリング

リーグ戦全試合先発出場。とにかく走る29歳。リーズを象徴する選手の一人。
上手いなどではないが、走っている姿とおだんごヘアーがシーズンを通して印象的だった。

 

 

10位 エバートン 勝ち点59(17勝13敗8分)  

 

今シーズンのエバートンは一味違うぞと言い続けて、何年目だろう。ハメス・ロドリゲス、ドゥクレ、アランの補強がその思いに拍車をかけていた。結果は10位といつも通りな感じでフィニッシュ。ここぞでの試合ではうまくプランを練って、相手を苦しめている印象だが、丁寧に勝ち点を落とし続けている。シーズン終了後はアンチェロッティレアル・マドリーに引き抜かれるというサプライズまであり。来シーズンはどうなることやら。

 

MVP:カルバート・ルーウィン

シーズン序盤は得点ランクトップに立つほど得点を量産。どんなクロスでも決めてくれたり、孤立した状態でもボールを収めてくれるのはプレミアリーグのFWらしい安心感だった。キャリアハイのシーズン16得点を決めた。

印象に残った選手: リュカ・デーニュ

SBの役割が多様化する中で古典的なSBを体現してくれた。何度でもオーバーラップを繰り返し、クロスを上げ続ける。ディーニュとカルバート・ルーウィンのホットラインはエバートン最大の武器だった。